2025年8月

世界紀行
荒野の宝石

 有料道路を行く。信号はなく、ただ車線が林間を進むのである。 やはりこの高地も霧に包まれて、行く先は見えない。峠を攻める羽根をつけた武士たちを何度かいなして進む。その度に、尊大ゆえに寛大な運転手は、霧の中に消えていくハザ […]

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世界紀行
霧架かる橋

 フロントガラスを霧雨が擦り、視界は白い。激しい山々の起伏に、アスファルトは直線を引くことが出来なかったのであろう。そのような曲がりくねった狭い車線を掻き分ける尊大な運転手が私である。 対向車も無く、この蛇行を照らすライ […]

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