おやすみ、レニー
はじめに
good evening.
星の綺麗な夜に
20数年連れ添った
私のかわいい膝小僧をRevoは砕いた
ドーナツが浮かぶ甘い夜に
Revoは精神から肉体をモギって
成層圏までブチ上げた
深刻な膝蓋骨粉砕骨折と
《肉離れ》を受傷した志田を尻目に
Revoはきっと
リスナーの膝小僧の骨片を煎じて煮出したお茶に
ミルクをたっぷり注いで
気取らないマグカップでがぶ飲みして
「ヒドロキシアパタイトのざらつきが
コラーゲンのコクでまろやかになって良いね」
とか言いながら
甘いドーナツを頬張って
knee break して tea break する男なのだ
Revoは
極上の音楽を聴かせて
解釈で放牧して育てたリスナーの
引き裂いた肉体と精神を交互に串に刺して
お庭のグリルで6時間焼きながら
その香ばしいスモークをアテに
「《育成時間》が肉を一層旨くするね」
とか言いながら辛口のクラフトビールを
嗜む男なのだ
ハロウィンじゃないのに
そういう食生活をして
生き血を啜って棺桶で寝ているから
2000年も生きているんだ、、、、、
ハロウィンじゃないのに、、、、
だから、、、、、いつもサングラスしてるんだ
ハロウィンじゃないのに
でも、そんな今夜はハロウィンですね
「おやすみ、レニー」
イントロ
ァ、、、、
朝までハロウィンで
あんなに胸を張っていたサックスが
風船の空気が抜けるみたいに萎んでいく
古い時計の狂った振り子のように
ブリキのおもちゃの頭が
ぐらついている鈍い三拍子
病弱だった
生まれつき... 病弱だった...
息子の世界は... 《寝具》の上...
残された数... 誰にも告げず...
刻み続ける... 小さな胸...
うぅ、、、、どこかで
絶対聞いたことがあるお声だ、、、、
息子さんはご病気がちなのね
寂しくないように
友達が出来ない アナタが寂しくないよう
庭に色とりどりの 花を植えました
アナタの大好きな 絵本も読みましょう
いつまでも傍で 誰よりも愛しているから!
落ち着いた低い音色だけど
緊迫感のあるストリングスのリズムで
砂時計の粒が落ちていくみたいに同じ音を繰り返す
限られた旋律のなかに
ぎゅぎゅっと言葉が詰め込まれている詩で
「寂しくないように」
アナタのためならなんでも
あれもしてあげたい
これもしてあげたいのに
時間が足りない という焦りを感じる
庭のお花と絵本の読み聞かせが
アナタの窓枠の画布に
彩りを添えたのでしょう
苛酷な船旅
丈夫に生んであげられなかった
《母》を赦してください...
苛酷な船旅が お腹の中のアナタに
どれほどの負担をかけたのでしょう..
彼女もアイルランド移民なのかな
きっと息子さんには聞かせることのない言葉
赦しを求め罪を告白し
「私達夫婦は命を掛けて
アナタを絶対に幸せにするから!」と
償いを提示する
告解みたいに形式立っているけど
うしろのメロディアスなストリングスが
「アナタを、、、アナタを」で
荒波に揉まれる船首のように
一度大きく沈み 浮かび上がる
DynamicでAtlantic だけど
アイルランドから西海岸ってずいぶん遠いな
Atlantic どころではない
そして続く間奏が良い
彼女にも緞帳が開くような
間奏があるのだな、、、
ホルンみたいな彼女の咆哮(パオーン)が
ピンとしたマンドリンみたいな雨や海水の飛沫も
ジャンジャン押し寄せる旋律の波も超えてくる
彼女が海を渡ってくるぞ
大飢饉
《大飢饉》 耐えられたのは
兄の援助のお陰で
《連鎖移民》 されど 彼の消息は知れず...
追って 《新天地》で 私達が最初に
住んだ街は 《黄金によって栄えた都市》
夢の《桑港》
おおおおおおおおおお
金管の装飾がある
シアタージャズみたいな雰囲気で 都会感がある
志田の好きなウォーキングベース的なステップが
彼女の足取りのようで
「夢の桑港」がどっこい最高だな
Revoってなんか
人間が遺伝子的に快感に感じる
音の運びを知りおるよな
それも
メロディもリズムも 語感も
気持ちが良すぎるツボを
その母心で的確に押してくるから
命の泉が湧いてしまう
メロディが良過ぎて
この世にまだそんな素敵メロディが
誰にも見つからずにそこにあったなんて
信じられない
この長い人類史の中で?!
Revoしか見つけてないの?!
こんなに美しいのに?!
この世に生きて 呼吸していて
あたりが明るくなれば 起きて
暗くなれば寝てを幾度となく繰り返しているのに
一度も空を見上げたことがなかった
空の存在に
生まれて初めて気づいたみたいな衝撃がある
逆にRevoはなんで見つけられるんだ
はァ?
オギャァの瞬間から仰向けで空見てたんか?
ってRevoさんが見ている世界の
美しさが羨ましくてちょっとキレそうになる
だってこの桑港なんて
初めてみる都会の街並みに
小石の転がる街道を
賑わう行き交う人々や馬を避けながら
手を大きく広げてくるっと回るお姉さんの
ひらむスカートが見えるじゃないか
兄の援助?!?!?!
え?!?!
松葉杖さんがお兄さんなの?!?!
仕送りはするけど
手紙のひとつも送らなかったのか あの男は
不器用すぎる
いや、、ロクなもんじゃねえとか言ってだけれど
かわいい妹さんには
知られたくなかったかもしれない、、、、し
手紙じゃ腹は膨れねぇだろ なのかもしれないし
当時の海運は時間もお金もかかりそうだし
それどころではなかったのかな、、、、
息子が生まれた朝
《息子》が産まれた《朝》 とても難産で...
《夫》は泣きながら
「ありがとう」と 何度もキスをした...
それからは家族三人で
寄り添うように生きてきた...
夫は薬代稼ぐ為に
身を粉にして働き As time goes by...
金管の接続詞のような装飾のメロディから続く
息子さんが生まれた朝のストリングスは
少し夜の雰囲気も感じさせる
旦那さんが働いている時に
また星の綺麗な夜に農業していると聴こえてきた
ポテトポテトしたドラムが聴こえる
旦那さんも
土を掘る系の肉体労働なのかな
山間の街
夫の《新しい仕事》の都合で
移り住んだ《山間の街》で
息子を気軽に あだ名で呼ぶ
初めての友達が出来た
馬の足音はお引越しだったのか
シアタージャズみたいな都会の雰囲気から
ガラッと曲調が変わって穏やかになる
労働者の街みたいな忙しない桑港と比べて
起伏がなく 飾り気もなく
お姉さんが道でくるっと回ったりしない
地に足をつけて歩き始める
《便宜上100としておくが無限に》
かぼちゃ頭だなんて 変てこなあだ名
でも... あなた 分かってるじゃない?
それがあの子の
《便宜上100としておくが無限に》ある
可愛いところの1つよ!
かぼちゃみたいな頭、、、、
息子さんはジャケット絵の一番右側の
サスペンダーの子かな
お母様譲りの髪色に
お父様譲りの髪のボリューム
「頂けない!」っていいながら
いっぱいご飯食べてるのが
かわいいわねぇ
頂いてるねえ
この中村悠一は
レインボーブリッジが
閉鎖できなかった時みたいに叫ぶね
Livermore
私は結婚しても 姓が変わらなかった
何故なら 夫も同じ Livermore
縁て 不思議でしょ?
まさか《初めての友達》の姓も
Livermoreだなんて
嗚呼 神様って素敵じゃない?
とても粋な演出に この時はそう思った……
Livermore一族、、、、
Liver、、、more、、、、、
生きる、、、もっと、、、、
なんて縁起のいい名字
そんなにLivermoreという名字が多いのかな
アイルランド読みの名前だと働きづらいから
海を渡った時に縁起の良さそうな苗字に
改名したりするのかな
本当に血縁のある一族なのかな?
待てよ
松葉杖さんが
着いて征きたかった行列が辿り着く先の
「最後は俺んちだ!」の子とジョニーは同じ子?
ジョニーは松葉杖さんの息子さん?
ファッ
息子さんとハロウィンしてたんだ?!
あ、、、え?!
でもハロウィンしてたのは前髪さんの方か
え、、、待ってそれは ラリルライレすぎる
ジョニー君には前髪さんは見えないのかな
、、、、、前髪さんは
ジョニー君が松葉杖さんの息子だと
知っているのかな、、、
このお姉さんは
ジョニー君のお父様が
消息の知れなかったお兄様だと知っているのかな
かぼちゃ君とジョニーは従兄弟?!
松葉杖お兄さんは
松葉杖叔父さんなの?!
ヤバい
誠にラリルライレロだな
Revoに打ち上げられた肉体が
成層圏から精神の元に帰ってきそう
RevoにBBQされる前に回収しなきゃ
秘密
それからジョニーと二人 何を企んでたの?
秘密にしてたつもりでしょ
でもママは何でもお見通しよ
これが屋根裏部屋の秘密か!
お母様に秘密にしていたんだね
胸を張ったサックスが聴こえる
初めてのハロウィン
初めてのハロウィン そんなに楽しかったの?
はしゃぎ過ぎて 心臓も ビックリしちゃったのね……
ピアノの不協和
あ、、、、、ああああああああああああ?!
冒頭も、、、、
胸を張ったサックスが萎んでいく旋律は
まさしく息子さんの心臓の具合が悪くなって
倒れてしまったってことなのか
、、、、、、凄まじいな
このサックスの音色はこの子の息吹だから
この子が元気にハロウィンしているときは
誇らしげで楽しそうに胸を張って歩く旋律で
この子が苦しんでいる時は
胸を抱えてうずくまるような旋律 なんだな
とかいい感じに
Revoの素敵音楽の話に
留めておきたかったんだけど
リスナーが音色を苦しく感じるとか
奏者の表現力が凄い とか言う前に
肺活量を出し切ってから死腔までつぎ込ませて
「ここはこの子と一緒に酸欠で苦しめ」という
鬼畜が居るって話はしておかないといけないよね
極まりすぎだろ
Mad Composer Revo、、、、、怖
ッンゴ
す、、、、、すげえな
こんなに回想の導入が目に見えることある?!?
絵に描いたように 雲みたいにホワワワーン
もう、、、、物語の哀しみと
Revoの極まりが入り乱れて吐きそう
発作の予兆みたいなストリングス
最後のハロウィン
お医者様が告げた アナタに残された数字を聞いた時
目の前が真っ暗になったけど……
あんなに楽しみにしてた 最後のハロウィンだから
散々考えて 参加を許したわ……
は、、、、、初めてのハロウィン、、、
だったんじゃないの?
あんなに楽しみにしていた
初めてのハロウィンじゃ、、、、ないの?
残された数字は
そんなに間もないのか、、、、、
あの子の寝顔
私達はそう決めたの 誰のことも恨まないと
《運命》も 《友達》も 自分達も含めて
あの子の寝顔が 笑っていたから……
、、、、、恨まないと決めた中に
友達も含まれるのか、、、、、、
少なからず
責める気持ちが
芽生えそうになった事があって
恨まないと決めたんだろうな
人間だな、、、、、、
ここのパートは
「アナタを絶対に幸せにするから!」と
似たような
断崖の上で荒れた海に叫んでいるようで
ジャンジャン来る旋律の波に
金管が吠えている
罪の波が寄せては返す愛情の岸辺で
波を背に足下の砂を攫われながらも
息子さんの前では揺るがぬ笑顔で
母として立ち続けようとする描写だったんだな
おやすみ
――おやすみ
おやすみレニー 今日はいくつ お菓子もらった?
寝る前に歯を磨くのよ... じゃなきゃ... 虫歯になっちゃうから!
、、、、、、、
嗚呼、、、、
子どもも居ない志田のちんけな想像だけれど
「寝る前に歯を磨くのよ...
じゃなきゃ... 虫歯になっちゃうから!」
レニー君がもう少しお兄さんになったら言う台詞で
毎晩息子に言っていた台詞ではきっと無い
このお母さんは
まだ幼い息子をお膝に乗せて
毎晩仕上げの歯磨きを
してあげていたんじゃないかな
まだまだ手のかかる息子だったのに
「寝る前に歯を磨くのよ」を告げる
切なきことよ
最も悲しい理由で
彼女の手を離れていく息子に
仕上げの歯磨きを卒業しなかった息子に
「お母さんはもう、歯磨きをしてあげられない、、、」
という「お別れ」でもあり
それでもやっぱり心配だからという「愛情」でもあり
どんな気持ちで、、、、
この言葉を、、、、、掛けたのだろうか、、、、
どんな母親がこれを書いたのだろうか
Revo
👇
Revo👉😎👈Revo
👆
Revo
は?
ハロウィンの続きをしているんだと思います?!
終われないなら、、、、
歯磨き、、、、しないじゃん、、、、
作り話?!
え?!
志田は一切そんなこと思ってなかったのに
お母さん何でそんなこと言うの
え?!
疑いもしなかったよ 一度も
え”?
ええ?
そんな可能性があるってことなの?
ハロウィン♪が終わって
同じところを往復するメロディ
そして胸を張って腕を振って
歩いているかのようなサックスの旋律が一人
今度は萎まずに空に放たれた響き
風船を割ったみたいに突然消える
「おやすみ レニー」
怖
え?
え?
え?な、、、、え?
お母さん?
ここまで読んでくださったあなたに
Happy Halloween☆
次回
「secret track」
「ハロウィンと夜の物語 総括編」
ハロウィンは終わらない、、、、、、、