終端の王と異世界の騎士~The Endia & The Knights~

イントロ
マッチを擦る音か、頁を開く音か
炎は灯される
火勢は強く、松明のよう
戦いの序曲である
デンッ と一点の静から
炎が燃え上がるように
大地を低く駆けて空へ飛び立つ鳥のように音楽も物語も広がりを見せる
その先は意外とギターと
パーカッションのリズムが心地よくて
少し民族的な三拍子なんだな、、、面白い
ギターやストリングス
打楽器、アコーディオンなどが中心で
金管はあんまり感じない軽やかな音楽
持ち運べる楽器だけで奏でられるところが
旅団の楽器隊のようでもあるし
とある国の下町の酒屋でありあわせの楽器で奏でられる民謡のようでもあり
自然と人々が集まっている風景が目に浮かぶ
笛のスキップするようなリズムと
踊り子の鮮やかな衣装の裾がひらひらと舞うかのよう
足踏みするタンバリンのステップも良い
序曲であるのに
戦いが終わった後の祝祭のようだ
世界を喰らう《終端の王》
ストリングスのピツィカート
ドラムやタンバリンの点が
譜面の上にポツリポツリと落とされる

太陽の《狂詩曲》 騎士の名を呼ぶ
その点が線となり
記述が続いていくように
この一節からストリングスの旋律が滑り出す
歌い始めがKAORIさんなのもとても素敵
彼女のお声で始まるとグッと引き締まる
ただ、よく通ってはっきりとした歌声であるだけでなくて
"奮い立つ、立ち上がる"みたいな
なにかを抱えながらも前を向くような
その時が来るのをひたすらに待つような
強さ持っていて
明ける空に最初に響くヒバリの声のように
静寂を破り朝を告げるというか
春を告げるというか、、、、、
出立の朝というか
そういう、ファンファーレなのではないかと
最近は思うのである
仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》
なんていいメロディなんだ、、、、
ここでYUIKIさんが前面に出てくる
この寂しさをこぼれないように
両腕で抱きしめるようなお声が
いいんだよな
ストリングスの澄んだ空に
トレモロの水面が揺らぐような追憶が映る
〜彼の↑唇 とハモるストリングスの旋律も
とっても良い 好き

点いていく灯火を
おおおお、、、、、なんだこれは
突然、お祭り騒ぎの民衆たちの時が止まる
広場の地下を流れる水
肥大化していくシンバル
蒸気機関式オルガンのような低音と
行進するドラム
メリーゴーランドのよう
何も知らぬ我々を乗せて廻る音楽
《漆黒》の髪と緋い《瞳》は誰なのだろう
お姉さんの低音は
あの雲雀の如き朝の爽やかさから一変して
暗い女の色を纏うのもたまらないな
お姉さんのお声とこの曲の物語の二面性が
こうして現れてくるのがいいな
志田がMoira を通って来たばかりだから
かもしれないけれど
序盤の方はもっと大人数で
ワンフレーズごとに歌い分けても素敵なんじゃないかなんて思っていたけれど
狂詩曲も円舞曲もこのパートも
同じ声で歌われるから出る味があるな
君を誘う
奈落へ吸い込まれるように
響きが深くなっていく
願ったこと全てが叶う世界ではない
風のSE
さっきまでの重い音楽から
羽のように軽いピツィカートに変わる
何より歌詞がいい!
どんなに強い向かい風であれ
シンセサイザー的なのフォニョフォニョした旋律(伝われ)
ここまでは志田的に中世ヨーロッパの市民の祭りみたいな雰囲気だったのに
デジタル感のある現代的な音が不思議
でも、決して雰囲気から浮いているわけではなくて
なんだろうな
現代の我々聴者の幻想というか
この曲の世界観を超えた力(異世界の騎士ってこと?)が
一つひとつ小さなデジタルな羽となって
フォニョフォニョと少年の背に集まり
大きな翼になるようなイメージ
4:05〜間奏
バッと布を翻すようなSEで翼が広がる
少年が飛び立つ!
鳥が飛び立つ前に何回かその場で
羽ばたくみたいに
この翼はシンバルと共に7回地を
風切羽の如く叩き、勢いをつける
4:11
フォニョフォニョの小さな羽が大きく跳ねて
少年の身体が宙へ浮き上がる
そしてフォニョフォニョは
舞うようなアルペジオに変わり
大きく羽ばたいている!!!!!!
4:23
そしてこの旋律に戻り
鋭いスキャット的なah〜と
抜刀のSEが
同時に振り翳され天を衝く!!!
筆か剣かみたいなことをもうしている
そして鐘がなる
戦いの序曲
新しい地平線
夢想してやまない
王道ファンタジー世界が広がる
志田はずっとこれを
探していたんじゃないかと
そう思うほどに極上の異世界
しかし、志田もだいぶ苦労して来たので
Revo「これが欲しかったんでしょう」
というのが見える
👇
👉😎👈
👆
あまりに見える
またかよぉ...またお前の掌かよ..
私の心の乾いた部分を
ビシャビシャに潤してくれる
旋律!歌詞!明夫!
これが...20年前...
余談《偉大なる可能性》について
さて、ここでは物語の外側の
どうでも良い蘊蓄を垂れながら
物語の浪漫を深追いして
鼻血を出してみよう
こんな辺境を読んでくださる
心優しいあなた様も
是非、そのお美しい指先を
お鼻に入れて読んでいただきたい
終端、調整、継ぎ接ぎ、改竄という言葉に
過ぎるのが生命の営みである
物語が紡がれるように
我々人間もまたDNAによって紡がれる
細胞が分裂するとき
DNAは自分「写し」を作る
このときDNAの二本の糸がほどけ
それぞれを見本に「写し(RNA)」が作られる
DNAの新しい糸は、この写しをもとに
材料となる塩基が文字のように運ばれて
その配列が意味を孕みながら
言葉のように順番に並びながら
つながっていくことで紡がれていく
このようにして
写されて継承されていくDNAは
タンパク質を作る設計図になる
しかし、その情報のすべてを
同時に使うわけではなく
「今必要なものだけ」を抜粋する
という営みがある
例えば、腕を作るときは
設計図の第4章と第5章を抜粋する
心臓を作るなら
第1章と第6章と8章を抜粋するように
抜粋する場所や量
タイミングを調整している
こうして、写しの必要な部分が抜粋され
不要な部分が取り除かれ
継ぎ接ぎされて一本につながるのである
また、DNAは
ずっと無限に伸び続けるわけではなく
物語の「めでたしめでたし」や
「Fin.」のように
「ここまでで終わり」という
塩基の決まった並び方で記した目印がある
そこが糸の終端となる
この終端の記述は終止コドンと呼ばれ
発見した研究者の名前の由来から派生して
ochre codon(TAA,UAA)
amber codon(TAG,UAG)
opal codon(TGA,UGA) と
それぞれ黄土、琥珀、オパールの名が
冠されているのもまた
物語の外側の浪漫である
物語も生命も
その膨大な情報のどの部分を
どのように抜粋し
どのように継ぎ接ぐかを調整することで
何にでも成れる
偉大なる可能性を持っていながら
加えられた改竄によって
何にでも成り果てるという
偉大なる可能性を持ち
終端まで紡がれ続けるのである
RNAの継ぎ接ぎ(スプライシング)は
遺伝子の調整であって
理にかなった生命の営みであるが
物語の継ぎ接ぎを改竄と呼ぶのなら
それは誰の理で、何の営みであろうか
緋色の瞳がこちらを
唯、見つめているのである


