神々が愛した楽園〜Belle Isle〜
イントロ
ウィンドチャイムの風に乗って神話が生まれる
アルペジオが楽器を変えながら
左から右へと流れる部分が素敵だ
神の竪琴の散らされた和音が
人間が線を結んで物語るように
ギターが引き継いでいる
時の上流に神の竪琴
下流に人々が語る神話の六弦琴
まさに語られる「神話は生まれ〜」が
音楽になっている
弦楽器の低音→高音に繋がれる雰囲気は
争いの系譜の冒頭を思い出す
鍾乳石から滴る雫のように
長い年月と万物の抽出がここにもある
次に現れるのは筒に息を吹きこむだけの
原始的な笛の音と
民族的なパーカッション
死を抱き眠る冥闇の
まずはシンプル
中間の音はヴォーカルだけで
旋律は面の中に幾つかの点の様
低音の弦はのっぺりしていて
高音の灯火の短いピツィカート
生の深淵は昏く 照らす灯りは短い
裏で常に水が流れている
歌声がその水面に波紋を寄せる
水滴のようなシンセサイザーの音が
同じ旋律の後を追っている
太鼓系の音が
ドン・・・ドン・・・と拍動して
心臓に響いてくる

歌詞通りの
真っ暗な空間
水盆の上を灯火が揺れながら渡っている
言葉の一つひとつがその水面に波紋をよせる
そんな光景を思い浮かべる
いつしかそこに奪うものと
ここで生命に言の葉が宿ると
ギターが登場してくる
まず耳に入るコントラバスみたいな
一等深い弦の音色を追いかけてみると
いつ...そこ...うば...のと...うば...もの....... の様に
ヴォーカルを僅かにずれながら
同じ旋律を響かせていることに気づく
ただ闇の中にぼおっと灯りが点るのではなく
その光で進む方向を照らしていくみたいだ
「灯」が点るということ
そのものに意味が生まれて、
その灯で何を照らすかが
目的ではなく手段となっていく
その灯に照らされると闇でなくなるのではなくて
闇は照らされどもなお昏く
一体どの様な闇なのかが
明らかになっていくみたいだ
大きな山を描く旋律は
頁を捲るように
故郷を喪った仔らは忘れない...
ハープのグリッサンドによって扉は現れ
ドーンと開かれると
その先で三拍子の刻み方が変わる
ここでぐっと音楽に厚みと重なりが生まれる
ゆったりとしたストリングスの旋律
場面は暗闇の水盆ではなくなる
かと言って、歌詞の様に
故郷の懐かしき風景 豊かな自然みたいなのは
あまり想起しない
ストリングスがぼやけている
故郷とか 忘れない 無念 悲しみ 遠き大地とか
過去に思い馳せる言葉が並ぶけれど
音楽自体は三拍子だけど
最初の音に重みがあって
前へ前へと進むたびに足跡を残していく
みたいな印象がある
どちらかというと
何もかも失ったこの荒野を
まさに今進んでいる
抜刀
少年はやがて剣を取るでしょう...
音楽は荒野のまま
少年から仔へ、さらにまた仔へと
受け継がれていく間も
灯は上下に揺れながら渡っていく様に
ストリングスは似た旋律の波を
何度も繰り返す
向かい風に髪が靡くようでも
雨が繰り返し吹き付けるようでもある
間奏
Bell Isle
なんだその島
一度鎮まり
落ちる水滴に広がる波紋のシンセサイザー
パーカッションも心地いい
バイオリンのソロ
やっと歌い上げる弦が出てきた
序盤は空を飛ぶ
あるいは舞うみたいに
強か、高らか、自由
2:51位から
ぐい⤴︎ぐい⤴︎ぐい⤴︎と上がる旋律は
高く届かないものに
何度も手を伸ばそうとするみたいで
最後は息を切らし力が抜ける様に終わる
ちょっと苦しい
「平原は荒れ果てて砂漠と化し...」
おおお
ぽんぽこ系パーカッションから
ドラムセットへ
ウッドベースからエレキベースへ変わった
何やった人間
ベースは警告音みたいに
ストリングスの連符は危機が迫る
こんな時もハープのアルペジオは
秘められた輝きを放って
時を紡ぎながら途切れず
不穏な予感の糸を引いている
ブリキバケツの底を叩いたみたいな音
冷たくて、歪で、空っぽの音がする
「敵の憎悪は同情を遥かに凌ぎ...」
この辺りから低音の弦が呑み込んでいく
屍を積み上げて ← 土台は築かれる...
バケツドラム!
屍やガラクタを積み上げる音なのかな
亡骸の頂きに ← 平和は咲き誇る...
ストリングスの短い音に続く
ハープのパラパラ落ちる音や
バケツドラムが
積み上げてはガラガラと崩れていくみたいだ
恐怖を差し出せば...
狂気が降り注ぐ...
共存の道を蹴って...
猜疑は爪を研ぎ...
正義は牙を剥く...
定規を捩じ曲げたまま──いずれ...
漢詩かと思ったわ
凄すぎでしょ 絶句よ
こんな、、、韻、、、
言葉ってこんなことできるんだ、、、
Revoは科挙を受けた方がいい
少年は白き翼を得るでしょう...
帆布が張られるように翼は広がる
高地に吹き抜ける風の音
嗚呼...少年は黒き剣を取るでしょう...
この少年も黒い剣をとるのか、、、、、
少年は手に『剣』...
背に『翼』...瞳に『未来』を──
「物語は頁を捲るように紡がれ続ける」
ここすごいな
神々のハープも
人間のギターも
物語る笛も 詠うバイオリンも
人為のドラムセットも
ガラクタを築くバケツドラムも
キャリキャリした星屑も
文化や人間や自然や何もかもが
ごった煮になって
積み上がった上に今があるんだ
5:57〜
ギターが爪弾かれる
水の音
カラカラ(木の実が繋がってるやつ:チャフチャス)
蛙の声
宵闇の小川に蛍が飛び交い、ぼうと光るように
人間の営みと自然が共存する
里山の景色を思い浮かべる
ギター→ギターに引き継がれる音色は
物語が人間から人間へ伝承されていくみたいだ

